これから日和は、介護の現場で働く一人の人間が、自分の家族のことをきっかけに作ったアプリです。 誰が、何を思って作っているのかを書いておきます。
祖父母が高齢になっていく中で、両親からこんな話をされました。
もしもの時、必要な書類がどこにあるのか分からない。 聞いておかなければいけないことがあるはずなのに、共有されていない。 そのことが、ずっと不安だと。
改まって「もしもの時の話をしよう」と切り出すのは、簡単ではありません。 切り出された側も、身構えてしまいます。 だからこそ多くの家庭で、必要な情報が共有されないまま時間だけが過ぎていくのだと思いました。
祖父母も、両親も、どちらもが安心できる形はないだろうか。 そう考えたのが、このアプリを作りはじめた理由です。
私は普段、介護職として働いています。
団塊の世代が後期高齢者となり、現場で向き合うご高齢の方は年々増えています。 その中で、備えの必要性を、数字ではなく実感として持つようになりました。
備えがある方とない方とでは、いざという時のご家族の負担がまったく違います。 そしてその備えは、多くの場合「難しいから」「まだ早いから」と先送りにされています。
ならば、難しくないものを作ればいい。 一日にひとこと、思い出したことをひとつ書き留めるだけで進むものを。 それが出発点です。
作りながら、いちばん大きな壁は情報の少なさではないと分かってきました。 親子で、その話を切り出せないことです。
親御さんは ── 「まだ死ぬつもりはない」
お子さんは ── 「早く死んでほしいと思っていると思われたくない」
どちらも、相手を思っているからこそ言えません。 ここを越えられないまま、何年も過ぎていきます。
ですので、入口を逆にしました。
最初に開くのは「これまでのこと」です。子どものころに好きだった場所、心に残っている旅行。 次が「これからしたいこと」。行ってみたいところ、もう一度会いたい人。 そのあとに、大切にしているもの、暮らしと健康、お金のこと ── と続きます。 もしもの時の話は、いちばん最後です。
死の準備から始めると、手が止まります。 これからの話から始めれば、同じことを書いていても、気持ちがまったく違います。
終わりを準備するのではなく、これからを身軽にするために。 「これから日和」という名前は、そこから付けました。 日和(ひより)は、出かけるのにちょうどよい日のことです。
作るうえで、ひとつだけ譲らなかったことがあります。
ご本人が、自分で決められること。
ご家族が良かれと思ってまとめてしまうのは、簡単です。 でもそれでは、ご本人の意思が置き去りになります。 すぐには見せたくないことだってあるはずです。それを無理に開かせるようなものは作りたくありませんでした。
ですのでこのアプリでは、項目ごとに「ふだんから見られます/もしもの時に開きます」をご本人が選べます。 ご家族を招くときも、承認するのはご本人です。 誰がいつ見たかも記録されます。
ご本人が主導権を持ったうえで、ご家族も安心できる。 その両立を目指しています。
暗証番号、パスワード、カード番号のすべての桁。 これらは書く欄そのものを作っていません。
ご家族が実際に手続きをするとき、これらは要りません。 必要なのは「どこの銀行か」「どこに通帳があるか」といったことで、 相続の手続きでは、銀行がお名前と生年月日で口座を探してくれます。
うっかり書けてしまう場所があると、いつか誰かが書いてしまいます。 ですので、方針としてではなく、作りとして持たせています。
このアプリは、祖父母の世代のために作りはじめましたが、 両親の世代、そしてその先まで使ってもらえるものにしたいと考えています。 そのためには、長く続けることが何より大切だと思っています。
同時に、私たちがいなくなっても困らないようにも作ってあります。 書いたものはいつでもPDFに書き出せて、アプリが無くても開けます。 万一サービスを終了する場合は6か月前に告知し、その間は書き出しを利用できる状態に保ちます。
大切なことを、ひとつのサービスに閉じ込めるべきではないと考えているからです。 囲い込むつもりはありません。
| 氏名 | 飯沼 一帆 |
|---|---|
| 職業 | 介護職 |
| 連絡先 | porunga0910@icloud.com |
| 所在地・電話番号 | ご請求いただければ遅滞なく開示いたします |
法人ではなく、個人で開発・運営しています。 ご不安な点もあるかと思いますので、氏名と連絡先を公開しています。 お問い合わせにはできる限りお答えします。
※ アプリの名前は「ソナエル」から「これから日和」に変わりました。 中身と、これまでに書かれたものは、そのままです。